乳房専用のX線撮影による検査方法で、一般的に用いられています。触診では発見できないごく小さなしこりや、早期がんの組織の変化もとらえることができます。X線被曝量もごくわずかで自然界から受ける放射線量と比べても決して多くはありません。骨髄への影響もなくほぼ危険はありませんが、妊娠の可能性のある人、妊娠中の人は検査の前に申し出るとよいでしょう。
■なぜ圧迫するのか
立体的な乳房は、そのままでは腫瘍などが隠れてしまうことがあるため、より病変を見やすくする必要があります。また圧迫することで、X線被曝量を減らす効果もあります。
乳房全体をはさんで撮影します。左右の乳房を片方ずつ台にのせ、乳房を圧迫板にはさんで撮影します。通常は2方向から撮影します(15〜20分程度)。
マンモグラフィ検診を受診した結果は、以下のように悪性である可能性を数値で表します。
医師に「カテゴリー○〜○です」と言われた際、参考にしてください。
カテゴリー1と2の場合は、たとえ石灰化があっても良性と考えられ、定期的に乳がん検診を受けるように医師から言われるでしょう。カテゴリー3は、下表のように良性の可能性も高いのですが、確定診断をつけることが難しいために、経過観察と言われることが多くあります。
ご自身で今すぐに確定診断をしたいと思ったら、医師に直接相談してみましょう。
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- 構築の乱れ:マンモグラフィで見つかる異常の一つで、正常の乳腺の構造(パターン)が歪んでいたり、ひきつれた状態を指します。構築の乱れによって乳がんが見つかることもあります。
マンモグラフィ検診では、乳腺を読影しやすいように、また、被曝を最小限におさえるため、できるだけ薄く乳房を挟んで固定する必要があります。そのため、乳房を挟んで押さえるときに痛みを伴うことがあるといわれ、「マンモグラフィ検診=痛そう」というイメージを抱いている女性も少なくありません。
2008年に、乳検ネットに参画している企業の派遣社員・アルバイトなどを対象に、無料でマンモグラフィ検診の受診機会を提供するイベントが開催されました。
そのときに初めて検診を受けた方の感想をご紹介します。
■検診を受けて、変わる検診へのイメージ
実際に検診を受けると多くの方が検診のイメージが変わるようです。
痛みの感じ方に個人差はあるものの、多少の痛みを伴うことは受け入れられた結果となりました。また、検診を受けた後には、今後も検診を受けたいという気持ちへ変化したようすもうかがえます。
マンモグラフィ検診は、生理前を避けるとある程度の痛みを軽減することが可能です。また、男性でも受けられるともいわれるぐらい、胸の大きさに関係なく受診が可能な検査です。